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承ジョセ贈りものSS

2015/07/21

「ふう。夏だと思って油断してると、冷房でもだいぶ乾燥しちまうのう。」

唇のひどい荒れ具合を感じながら、わしはポケットからある物を取り出す。

「おい、じじい。何だそれは。」

そこで、さっきまで人の話をスルー気味だった隣の人物から、ようやく声がかかった。

「ん?あ、これか?海外旅行から帰ってきたホリィの友人からのお土産らしいんじゃが…オーガニックとか言ったかの。おすそわけって何本かもらったんじゃ。」
「…あんた、まさかそんなもん使ってんじゃねえだろうな。」
「そうは言っても、この年になると結構乾燥との闘いはシビアなんじゃぞ。この間も気付いたら唇切れてたからのう。おまえも使ってみたらどうじゃ?」
「あほか、くだら…」
「?」

そこで急に言葉と歩を止めた承太郎を不思議に思い、視線を後ろにやると。
何故か彼は、顎に手をやり、何かを深く思案している様だった。
…今の会話に、何か悩ませる様な事でもあったか?
そう思いながらも、見守っていると。

「塗ってる姿を考えるとぞっとしたが、それをしなくても、効果が期待できる方法が一つだけあったぜ。」
「は?」

一人で合点した孫の言っている事が理解できず、思わず間抜けな声が出たその唇に何故か強い視線を感じる。

「え…っと、承太郎さん?何かしゃべってもらわんと怖いんじゃが…」

そのまま無言で迫りくる承太郎の圧力に、気がつけば背中に、壁の当たる感触がしている。
つまり。
何故かじりじりとわしは追いつめられていた。
本当何なんじゃ?!
たまに孫の行動が解らなくなる事があるが、今がまさにそれだ。

「承…」

現状打開のために、顔の横に置かれた腕を押しのけながら、もう一度孫の名前を呼んでみようとしたその時。
全く違う方法を持って、確かに現状は動いた。
もはや、巨大な壁に閉じ込められる状態になっているわしに、目の前の男は、あろう事か。
後頭部に素早く手を添えて、強烈なキスをお見舞いしてきたのだ!
呆然自失の後、すぐ様抵抗を試みたが、スタンドでも使ってるんじゃないかという様な力で抑え付けられる。
そして、そろそろ膝にきそうなタイミングでようやく離れた承太郎を、反射的に潤む視線でキッと睨むと。

「…まだ十分じゃねえな。」
「ア、アホかー!」

孫のスイッチを盛大に押してしまった事に、応じられた笑顔の質で、いやがおうにも気付いてしまい。
夏の始まりを告げるセミの声を背景に、わしの背中には暑さとは正反対の温度の汗がサーッと流れたのだった。






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とらさん、ハッピーバースデー!


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