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シージョセSS「i giorni felici」

2013/05/13

人に差し出すにしてはあんまりな、派手な音を立てながら置かれたシンプルなコーヒーカップ。
何事かと読んでいた新聞から目を離しサイドテーブルを見遣れば、視界に入ってきたのは、その上面を覆うエスプレッソの白い泡。
そしてその真ん中に、何とか読める筆記体で書かれた、あるイタリア語。
いわゆる、ラテアートというやつだ。
だが、見上げた先の相手は、今まで一度たりともこんな芸当を披露した事はない。
そこである事実に気付く。

「お前、ここ何日か出かけてたのは、まさか…」

外出する度に、どこへ行くんだという問い掛けを、こいつにしては珍しいぎこちない笑顔を伴い、かわしていた姿が浮かび上がった。

「そ。知り合いのやってるカフェで練習させてもらってたの。あ、もちろん手伝いとかちゃんとやりながらな。」

別に店の邪魔をしなかったか聞いてもいないのに、説明付きでそう答える相手に思わず口角が上がりそうになるが、ぐっとこらえる。

「…あれだけエスプレッソを毛嫌いしていたお前が、よりにもよってラテアートねえ。ん?ついにコーヒーの魅力に目覚めたか?」
「うるせえ!これはこれ、それはそれだ!紅茶党なのは譲らねえからな!」

至る所、至る時に繰り広げられるコーヒーVS紅茶戦争の集結はやはりまだまだ先らしい。
それに対し、目を閉じ、軽くため息を吐くと、上から得意げな笑い声が聞こえてくる。

「へへ。しかし短期間でここまでの技術をものにしちゃう俺ってやっぱり天才じゃね?」

そう自信満々に見下ろしてくるこの弟分の鼻を、調子にのるなと軽く弾きつつ。
再度、カップに目を移す。


『Auguroni』


数多く存在する、誕生日祝いのイタリア語フレーズの中では、一番短い。
そして、一番心のこもったその言葉。
さっきから、からかったり呆れてみたりと、別の感情で抑えていたが、やはり込み上げてくる喜びはどうしたって隠せやしない。
こいつの前で素直になる事を必死に拒もうとする子供の様な自分に、苦笑いを向けつつ、今日は一つ年を重ねたのだからと制しておく。

「だったらお前にも協力してもわらなきゃな、JOJO。」
「へ?」
「俺の幸せには、お前が必要だって言ってんだよ、スカタン。」

そりゃもう、さっきキッチンで鳴っていた湯沸かしポットと同じ音を立てそうな勢いで真っ赤になっていくこいつに。


『あなたの誕生日が幸せな日になりますように。』


そのメッセージを実行する為に、まずは俺のありったけのキスを降り注がせる事にした。






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当サイト初のシージョセSS!設定は現パロ!
またしても突発の短文で、滑り込み感満々ですが、愛だけはあります!!!
シーザー、お誕生日おめでとうー!
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