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承ジョセ即興SS②

2013/04/30

「なあなあ。どっか連れてってくれんか、承太郎。」

年甲斐もなく目を輝かせながら、本来の立場が逆転した様に、
“おねだり”の様相を見せるその体制で。
じじいは、まさしく“子供”の粘り強さで、俺の同意を勝ち取っていった。






本日何度目だ。
どうにも生暖かい視線を朝から感じている。
それは通りすがりの女子高生からだったり、立ち寄った店の年配の店員からだったり。
タイプは違えど、それには如実に「微笑ましい」という単語がびっしり貼りついていた。

そして今のこの状況。
電車内という限られた空間で、その視線はなおの事、濃度を増している。
「おい」
もたれかかってくる体を、少しだけ肩に力を込めて小突いてみても、うんともすんとも言わない。
あれだけ気配に聡い人間が、ここまで無防備になるものなのか非常に疑わしいのだが。
しかし、その反面。
俺に対し、気をとことん許しているという事実が、体中に染み渡っていくのも否めない。

ふと、小さい頃一緒に出かけた時は、寄りかかった自分の頭が、その肩には到底届かなかった事を思い出す。
今となっては、肩をしっかり貸し、横に目をやれば、完全に見下ろす状況だ。

…まつ毛長えな。

普段ではあり得ない角度からのそれに、思わずそんなどうでもいい事が思い浮かんでしまい、軽く頭を振る。
俺も相当、疲れてんのか。

我に返り、とりあえず目の前に座る親子連れの、こちらを見ながらの笑い交りの会話を耐え抜く最上の策として、俺は帽子を深々と被り直し、目をつぶる行動に出る事にする。
そうする事によってますます感じる肩からの振動と熱を。

反対側に倒れて、他の人間に迷惑をかけるよりはマシだ。

そう結論付けて。






残り3駅の短い時間だけ、大人しく受け入れてやる事にした。






*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
診断メーカーによる即興SS第二弾。
今回のお題内容は『相手の肩にもたれかかって眠ってしまった』
これぞデートの定番!しかし、相変わらずの超短文です(^^;
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