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花ジョセSS「四月のカッコウ」

2013/04/01

「ジョースターさん、好きですよ。」

腕を取り、振り向きざまの貴方にそう告げれば。
案の定、その瞳は一気に見開かれ、
そりゃもう、見事な程に青と赤が交錯した顔色になる。

「か、か、花京院!??」

そんな彼の必死さがあふれる呼びかけに対して、自分が投げた言葉に何もフォローせず、
僕はただひたすらにっこりとした笑みを返す。
沈黙を貫く僕のせいで、防御のための”会話”もできなくなったジョースターさんは、
完全に窮地に立たされた状態で、ひどく狼狽しながら、反射的に僕の手を軽く払う。
驚きか、はたまたそれ以外の感情によってか。
そのまま、自然と後退を始めるジョースターさんだったが、何かに閃いたのか、その動きが途中で止まる。
そして、その閃きに救われる様に、顔を綻ばせた。

「わ、解ったぞ!今日はエイプリルフールじゃな!危うくひっかかる所じゃった。」

そう安堵と自嘲が混じった息を吐く貴方に。
その行為が全くもって無駄になる台詞を、僕は間髪いれずに返す。

「本当にそう思いますか?」

「え?」

「嘘か本当。どっちだと思います?ジョースターさん。」

多分、今僕は、人前で見せた事のない表情をしているだろう。
耳に入る粘ついた声音もまるで他人の様だ。
それでもいいさ。

これは全部”嘘”なんだから。






とんっという音が、壁に接したジョースターさんの後方から聞こえる。
…でも、行き場をなくしているのは一体どっちなんだろうな。

「ねえ、ジョースターさん。当ててみてくださいよ。」

ダメ押しとばかりに、息のかかる距離でそう囁いてみれば。
ひどく困惑した表情は、そのまま哀しそうに歪む。
ああ、ひどいことしてるな、僕は。
でも。
今日は。今日だけは。
僕のことで、困ってくれませんか。


「…か、」

その時、部屋に備え付けの電話がけたたましくなる。
それはまるで、閉幕の合図の様で。
”終わり”の時を、僕に高らかに告げていた。






僕と電話を交互に見ながら、それでもまだジョースターさんは動けない。
これ幸いとばかりに、電話に逃げてしまえば、楽な筈なのに。
本当に、どうしようもない位、優しい人。
でも、だからこそ僕はそういう貴方が。

「ジョースターさん。」

もう一度、電話に目線をやった貴方に、普段通りの声音で僕は呼びかける。
そんな僕の変化に気付いたのか、弾かれた様にジョースターさんはこちらを見た。

「僕の負けです。その通り、エイプリルフールですよ。」

貴方が息を飲む音が、やけに耳に響く。

「ふふ。すみません。ちょっと迫真の演技すぎましたか?イギリスはエイプリルフールの本場って聞いてたんで、ちょっと力入れ過ぎちゃいました。」

「花京院…おまえっ」

「早く出てください。なかなか切らない所を見ると、きっと大事な電話ですよ。」

言い募ろうとする貴方を、無理やり制し、僕はそのまま扉へと向かう。

「待っ…!」

「お邪魔しました。ゆっくり休んでくださいね。」

パタリと閉じたその向こうからは、未だにコール音が続いていた。
それを背中越しに感じながら、急激に重さを感じた体はずるずるとそれに負け、腰をついてしまう。






本当にこの日にお似合いな、僕は世界一の愚か者だ。
でもだからこそ。
嘘と真実が交わる日に。
少し位の僕の気持ちを、混ぜ込んでもいいだろう?






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一応エイプリルフールネタ。
あまりにも突発すぎたので、後で修正とかしちゃうかもです(^^;
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