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承ジョセSS「非言語コミュニケーション」

2013/03/24

「なあ、承太郎、暇じゃ~」

ちゃぶ台とやらに頬づえをつきながら、着替えもせずに座してテレビに集中する承太郎に、後ろから覆いかぶされば、ちっという舌打ちと共に、苦々しげな言葉が返される。

「うるせえな、今優勝に関わってくる大事な試合をやってんだ。ちょっと待ってろ。」

…しかし我慢の限界だ!この番組、かれこれ1時間近く放送しているのだ。
そんな中、わざわざNYからやってきた祖父を、放っておくとは、なんて薄情な孫なんじゃ!
そう演技過剰気味に泣きついてみても、あしらう言葉ばかりで一向に返り見てもくれない。

「…なあ、一体相撲の何が楽しいんじゃ?」

悔しさと寂しさのあまり、思わず否定的な部分を隠し切れない声色で呟いてしまう。

「…ああ?何か言ったか?」

そうすると、ようやく顔だけとはいえ、自分を向いてくれた。
だが、それはひどい威嚇と怒気を含んだ瞳で、全くわしが望んだものじゃない。
地雷を踏んだ事を今更ながら自覚し、わしはただ、「ゴメンナサイ」と片言の日本語で己の失態を表すことしかできなかった。
…しかし、それをもってしてもやはり飽きらめきれんぞ!
わーん!孫とスキンシップがしたいんじゃー!
そんな気持ちが如実に表れ、ぎゅっと抱きつく腕に力を込めてしまうと。

「…しょうがねえな。」
「え?」

まるでそれに反応する様に承太郎から零れた呟きは、だがしかし、ちょうどテレビから沸き起こった歓声にかき消されてしまった。
その内容を尋ねようとしたその瞬間。
頬に暖かく、柔らかい何かが触れる。
その圧はさらに強めになり、最後はちゅっという音まで聞こえてきた。
つまり、聴覚と触覚から判断する限り。

わしは。
今。
孫に。
…頬チューされたー!!!???

その導き出された答えに、一瞬にして頭が真っ白になる。
いや小さい頃はそりゃお互いよく交わしたが!はしゃぎながら笑顔で!
しかし今となっては、その笑顔がすっかり不敵なものになっとるし!
何より子供じゃないんじゃ!
頬を押さえ、思わずわなわな震えながら。

「Oh!Noー!孫にセクハラされたー!」

そう叫ぶのも当然のことじゃろう!
その大音響に対し、承太郎は学帽を下げながら、てめえからべたべたしてきたんだろ!と負けじと怒鳴り返してくる。

「違うわい!わしがしたかったのは、もっとかわいい感じのやつじゃ!」
「阿呆か!かわいこぶるな、じじい!」

そのまま、言い合いになるかと思い、変な競争心から、負けんぞ!と身構えていると、
意外な事に、承太郎はそのまま、自分を落ち着かせる様に、ため息を吐いていた。
ん?と思わず拍子抜けしてしまう。

「アンタのおかげで、今日の大一番を見逃したぜ。…責任取れ。」

しかし、次の承太郎の発言に、その脱力感は、瞬時に霧散する。

「せ、責任ってなんじゃ?!」

話がおかしな方向に進んでいるのを、じわりと肌で感じる。
自分の中の危機回避センサーが激しく反応し始め、体が勝手に膝を使い、後ろに下がる。
とりあえず、この和室ってやつは、遮蔽物がなさすぎる、と悪態をつきながら、立ち上がろうとした体は、
あっという間に、背中で着地するハメになる。






慣れない背中への畳の感触を覚えながら。
もう二度と、承太郎の集中タイムを邪魔しない事を、わしは、固く固く心に誓った。








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某様のまごじじ頬チューイラストのあまりのかわいさに滾ってできたSS。
掲載許可ありがとうございます!
…それなのに、どうしてこうなった。
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