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承ジョセSS「capricious cat」

2013/02/22

新しく買ってきたコミックを一通り読み終え、何とは無しにごろんと畳に横になり、
世界の反転した庭を見ていると、何か黒い物体が視界の片隅を横切った。
ん?と条件反射的に体を起こし、今度ははっきりと目で捉えようとすると…
にゃあ。
その正体を主張する声が先に耳に届いてきた。
「なんじゃ、猫か。」
一瞬芽生えた緊張感を完全に消し、息を吐く。
その間も黒猫は、その黄色い瞳をこちらにじっと向けてきていた。
「ほれ、こっちにこんか?」
安堵の感情と共に、どこか楽しい気分になってきて、口笛を吹きながら手招きしてみたのだが。
少しずつ距離を縮め、こちらに興味を示していると思った途端、その身を翻し、あっという間に塀に飛び乗り、
その向こう側に姿を消してしまった。
…むう。これだから猫ってやつはよう解らん。本当に勝手気ままじゃのう。
自分の好意を無碍にされたようで、少しばかりむっとする。
昔から犬好きな自分だからこそ、そう思うのだろうか。
…そういえば、わし自身、犬っぽいと言われることがあったな。
そんな過去を、ふと思い出す。
自分ではよく解らんが、まあ猫と比べたら、そうなるのか?
うーん、考えてみれば周りも比較的そうかもしれんな。
スージーもホリィも、なでくりまわしたくなる様な小型犬かのう。
あ、でも一人。
どう考えてもそうじゃない奴がおった。






「おい、あいつどこ行った。」
「お前、”アマ”よりはいいが、”あいつ”もどうかと思うぞ。…まあいい。さっき夕飯の足りない食材に気付いて、買いに出かけたぞ。」
帰宅の気配はしていたので、背後からの突然の呼びかけに驚きはしなかった。
しかし、孫のとった次の行動は、わしの目を見開かせるには十分だった。
肩を急に掴まれて、強引に向き合わされたと思ったら、あぐらを崩された状態で座る太腿に、
急速に温度と重さを感じる。
「じょ…」
「うるせえ、少し寝る。」
ほら、これだ。
普段、わしやホリィからのスキンシップには、露骨な態度で嫌がるくせに、気まぐれにも程がある。
…もし今、わしから触れたら、するりと離れてしまうのだろうか。
その想像に、思わず先程の黒猫が重なる。
今度、あの猫が表れたら、呼んでみようかのう。
この子と同じ名前を。
突如湧き起った自分の考えに、思わず吹き出しそうになり、体が震えてしまう。
承太郎が一度閉じた目を開き、不審な眼差しで見上げてくるが、その笑いを収める事は当分できそうになかった。






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今日が"猫の日"なのに当日気付いて、突発で挙げたSS。いつも以上に短文です。
そういえば、最近膝枕キーワード、どこかで書いたと思ったら、Simposeだった…
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