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頂き物イラスト

2013/08/14


相互リンク先『siiva』のシュウさんへのリクエストで頂いた、ショ太郎君です!
以前拝見したチビ承太郎君があまりにも愛らしかったのでお願いしたのですが、
やっぱり想像以上の破壊力で…!
ふわふわ髪も、子供特有のぷにぷに頬もたまりません!
小物に至るまで全てがキュート!ヾ(*≧∀≦)ノ
しかも極め付けに、じじいまで登場させてくださって…まさに歓喜の嵐!
シュウさん、改めまして、本当にありがとうございました!(*′艸`*)
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頂き物SS「願わくは、永住。」

2013/06/03


ジョセフはハタキと箒を襖に立て掛け、丁寧に掃除した室内を見回して満足げに頷いた。
部屋も綺麗になり、この家で母親をしている我が娘の仕事も一つ減った。
清々しい気持ちでくるりと向きを変え、縁側に胡座をかいて軒下から天を仰ぐ。


見上げた空は一面の青いキャンパスのようで、そこに絵筆を引くように一筋の白い飛行機雲が伸びてゆく。
実に平和な昼下がりだった。


こんな日常も数日前には滅亡の危機に陥れられていたなんて、今では信じられない。


エジプトでの死闘。
払った犠牲は大き過ぎる。
だが、自分達は平和を勝ち取った。


終幕を迎えた戦いの後で日本へ戻り改めてその事を実感したジョセフは、共に戦って散った仲間への供養を誓い、平和な世界が続いている事に感謝し、また家内であるスージーQの事も気にかけていた。
全てが終わり安堵して、ふと、家内の顔が見たくなった。



一筋の白い線を描いていた飛行機は、それだけを残して遠くへ消えていた。


あの飛行機は何処へ行ったのだろうか。


国内か、はたまた外国か。



「…アメリカ。」



ぽつり、呟いた言葉は空にも届かず消えた。
空どころか町内にも、ご近所にも。
誰にも聞こえる訳がない、そう思うとおかしくなり、ジョセフは小さく笑った。
するとその小さく揺れた肩に、体格のいい大きな影が背後から重なった。


「何を一人で笑ってやがる。」


びくん、とジョセフの肩が、今度は大きく跳ねた。


「おおお、じょ、承太郎…もう帰ってきたのか」

「悪いか、ジジィ」

「承太郎、帰ってきたらまず何と言うんじゃ?」

「……チッ。ただいま。」

「ん、よーしよし。」


満足げに笑うジョセフ。
承太郎は溜め息をつきながらもジョセフのすぐ後ろに腰を下ろして帽子を傍らに置き、その身体を抱きしめた。
子供が大きなぬいぐるみを抱き抱えるように、ぎゅうっと。
承太郎の鼻が自らのうなじに触れ、呼吸している感触に、ジョセフは体を強張らせる。
背筋から腰にかけてゾクゾクする感覚に震えてしまいそうになるが、純粋に甘えているのであろう孫にそんな反応は見せられない。
背後から回された両腕に手を添えて、コホンと一つ咳払いをする。


「ここ最近ずうっとこうじゃのォ。帰ってきたらすぐワシに甘えて、そんなにワシの事が」

「そうだ。」

「…ま、まだ何も…」

「いちいち聞く事じゃねェ、いつも言ってるだろう。」


ああ、ふざけるんじゃなかった。
首筋を滑る唇の感触に耐えながら、ジョセフは激しく後悔した。


「だっ、ダメじゃダメじゃ! わかった、承太郎、ワシが悪かったッ」

「謝る事はねェ。煽った代償は身体で…」

「ど、何処でそんな言葉覚えて来たんじゃ!」

「いつまでも子供扱いするんじゃねーぜ、ジジィ。」


間近で響いた声音は自分のそれよりもずっと低く迫力もあり、ジョセフは背を丸めて小さく『はい』と返す他無かった。


「…で?ジジィ。日本永住の決意は出来たか?」

「あ…いや、その事なんじゃが…」


ジョセフは両手を組んで意味なく指を動かしてみたり、そわそわと視線を泳がせた。
表情は見えなくともジョセフの雰囲気が変わったのを察し、承太郎はジッと様子を伺いながら次の言葉を待つ。
背後からの無言の威圧感から逃げるようにジョセフの瞳はちらちらと泳ぎ、最終的に空を見上げた。


あの国へと繋がっている、空。


「…ええと、その…な、承太郎…。ずっとワシに日本へ居て欲しいと言うのは嬉しいんじゃが、ワシも帰ってする事があるし…」

「何度も言ってるだろう、隠居しろ。」

「うぐ…、いや、それだけじゃあないんじゃ…その、スージーにも会いたくなって…」

「………」


言葉が返って来ない。
ジョセフがそっと振り返ると、承太郎は威圧的な態度を消して目を伏せ、何事か逡巡している様子だった。


「…そんなに会いたいのか。」

「そりゃあ…ワシの愛する妻じゃからの…」

「……反則だ。そこにはどう勝っていいのかわからねェ。」


承太郎の身体から力が抜け、ジョセフに体重がのしかかってくる。
ジョセフは背筋を立ててその身体を支えてやった。


「勝ち負けなんか無いぞ、わしはスージーの事もホリィの事も、勿論お前の事もだーい好きじゃ。」

「博愛主義でも気取ってんのか?ジジィ…俺の言う好きってのはそんなんじゃあねェ」

「だが、好きは好きじゃ。」

「足りねェんだよ、それじゃあ。」

「…若さじゃのォ…。」


好きだと気付いてしまえば止まらない。
突如として沸いた感情に突き動かされる。
そういえば自分も付き合ってから結婚までは早かった、そんな時代もあった。
遥か昔の記憶を辿りながら、若き日の自分と承太郎を重ねてジョセフはしみじみと物思いに耽った。
しかし、自分の場合は相手が女性、承太郎の場合は男だ。
好きと気付いても他人の目を気にしたり己の趣向に自ら悩まされたりするのだろうが、承太郎は純粋とも言える位に真っ直ぐジョセフに感情をぶつけてくる。
その分、ジョセフは自分にはない勢いを承太郎に感じていた。
自分が同じ立場にあっても、同じように行動出来るだろうか?
昔ならばともかく、少なくとも今では難しい。恐らく無理だろう。
相手が血を分けた家族ならば、尚更だ。



冷静に、倫理的に考えれば、自分は承太郎の気持ちに応える事は出来ない。




「…今週中には、向こうへ帰ろうと思うんじゃ。」


静かに呟かれたジョセフの言葉に、返事は無い。
ただ、その言葉の直後に、承太郎の腕に力がこもった。
背中には承太郎の額がぐりぐりと押し付けられている。
成長してもやっぱり、自分から見れば承太郎はまだまだ幼い。
たった数年前には今よりずっと小さな身体で、同じように自分に甘えていたのだ。
数年前も今も承太郎の温もりは変わらず、記憶の中の感覚と今が重なる。
今も昔も承太郎は自分にとっては愛してやまない存在である事に間違いは無く、今後もそれは変わらない。
こうして甘えられると胸が締め付けられる程、孫という存在が純粋に愛おしくてたまらない。

それなのに、心の奥底ではほんの少し、小さく灼けるような気持ちも感じてしまっている。
生じてはいけない感情が燻っている。何かの弾みで広がってしまいそうな気がする。
ジョセフはその気持ちが怖いと思いながら、反面その感覚が懐かしく心地良い。
それは純粋に、健全に、孫を愛おしいと思う気持ちとは別の何かではないのだろうか?
神の御前で問われたとして、自分は何と答えるだろう。


「…今週なんてもう、何日もねェ。」


ぽつり、承太郎が呟く。
切なくなる程寂しげな声音に、ジョセフの胸がまた痛み出す。


「…そうじゃの、それなら、来週辺り…」


ぎゅうう、とまた力が強まる。
切ない程苦しく、締め付けられる。


「う…、それじゃあ大サービス、再来週にしちゃおっかな!」

「帰らないでくれ。」


思いもよらぬ程ストレートな言葉に、ジョセフは胸にこみ上げる感情に突き動かされた。
何を言っていいのかわからない口元は震え、抑えきれない想いが溢れる。
ジョセフは背後からの拘束を解いて承太郎と向き合い、その胸に愛おしい存在を力いっぱい閉じ込めた。


「承太郎、わしもうッ…!これじゃあ帰れんじゃあないかッ!」

「ときめいたか?」

「なッ…、わしはお前が孫として、可愛くてたまらなくなったんじゃ!」

「…その気持ちの中に少しでも別の感情があれば…と思ったんだがな…」

「…! ない、そんなやましい気持ちは無いッ!」


色んな意味でドキドキと鼓動が高鳴ってしまったのを気付かれないように、ジョセフはそっと身を引いた。


「…で、いつ帰るんだ?いや、帰らなくてもいいんだが。」

「わしは帰る、帰らなくてはいけないんじゃ! いつ、と言うのはじゃな…その…」

「………」

「…来週…」

「…おじいちゃん…。」

「間違えた、再来週じゃ。再来週には絶対帰るッ」

「…そうか、わかった。 ならそれまでに関係を進めとくか。」

「……えっ?」

「なんでもねェ。」


帽子を目深に被り、承太郎は何事も無かったかのようにさっさと自室へ戻って行ってしまった。
残されたジョセフはまだ大きく音を立てている心臓を抑えるように胸を掴みながら、承太郎の最後の言葉の意味を考えながらしばし放心する。


「…わし、明日にでも帰った方がいいんじゃろうか…」


自分の中に生まれた気持ちと承太郎を抑える自信を自らに問い、ジョセフは一人頭を抱えてしまった。



end.




*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
亜郷様のサイトでの50000hitリクエスト企画で、お願いをした承ジョセSSでしたv
『禁忌感』と『家族愛と情愛の狭間』という私のコメントから
こんなに素敵なSSを生み出して頂いて、まさに感涙状態。
掲載許可頂きましたので、当サイトの家宝にいたします!ありがとうございました!
 
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